どうもこんにちは 今回は国家一級自動車整備士の学科試験のスロットルポジションセンサの計算問題の解き方の解説をします。
独学で一級整備士試験に合格した私が実際に解いた解き方を解説をしていきます。
過去問(問題傾向確認)
これは平成26年3月に出題された問題です。
問題
スロットル・ポジション・センサが図に示す状態にある場合、この回路の点検に関する記述として、適切なものは次のうちどれか。ただし、配線等の抵抗はないものとし、コネクタAとコネクタBはそれぞれ接続状態とする。
1、コネクタAの⑤~⑥端子間に1.5kΩの接触抵抗が発生している場合、エンジンECUの入力回路には、4.5Vの信号電圧が入力される。
2、コネクタBの⑪~⑫端子間に0.5kΩの接触抵抗が発生している場合、エンジンECUの入力回路には、約3.80Vの信号電圧が入力される。
3、エンジンECUの入力回路には、1.25Vの信号電圧が入力される。
4、コネクタAの①~②端子間に2.5kΩの接触抵抗が発生している場合、エンジンECUの入力回路には、2.0Vの信号電圧が入力される。
つまりこの問題を理解して解けるようになればこの計算問題は解けるようになるってことだね!!
解き方解説
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平成26年3月出題の問題を例にして正常時の接触抵抗が入っていない状態(図の状態)での電圧を計算で導きだしていきたいと思います。
正常時を理解することができないと選択肢の内部抵抗入った計算をすることができないのでまずは正常時の電気の流れをマスターしましょう
正常時の電圧の動きとしては電源線より5Vが入りスロットルポジションセンサ内の可変抵抗を通り信号アース線経てアースへ落ちます。
スロットルポジションの位置によって信号線電圧が変化し、この電圧を入力回路へ出力します。
26年の問題で言うとスロットルポジションセンサの矢印が上流に2,5KΩ、下流に7,5KΩに分けた部分に示されています。
簡単な回路図にするとこんな感じです。
回路図の7.5Vの上のVが入力回路に入る電圧を示しています。
実際にVの電圧を解いてみましょう。ここでは一般的なオームの法則を用いた計算方式と私が問題を解くときに行っている比例式を用いた計算方式の2パターンを紹介します。
オームの法則で解く
まずはオームの法則で解いてみましょう
1、全体の合成抵抗を求める
直列なので足します
2,5K(Ω) + 7,5K(Ω) = 10KΩ
2、電流を求める
オームの法則により電圧÷抵抗で求められます
5(V) ÷ 10K(Ω)= 0,0005A
3、7、5KΩに掛かる電圧を求める
オームの法則により電流×抵抗で求められます
0、0005(A) × 7,5K(Ω) = 3.75V
よって上記の回路の時には3.75vの電圧が入力回路へ入ります。
これが接触抵抗が加わらない回路のオームの法則を使った場合の問題の解き方です。
たしか問題集の解説書もこの解き方で解説をしているかと思います。
オームの法則を知らなかったり覚えていない人はこちらの記事で詳しく解説していますのでこちらの記事もご覧ください
続いて
比例式で解く
この解き方でももちろん良いのですがもう一つ、解き方を解説します。
これは私が実際に問題を解くときに使用していた方法です。個人的にはこちらの解き方のほうが早いです。さらに解き方さえマスターすれば考えることも少なく解くことができます。
解き方としては 比例式を用います。
比率での計算の流れ
比例式で説明をする前に抵抗と電圧を比率で計算ができますよーという流れを紹介します。
5Vの電圧が2、5KΩ消費されそのあとに7、5KΩ消費されてアースに落ちる回路となっています。
これを比率で示します。合成抵抗の10KΩを100%とします。
5Vの電圧が2、5KΩ(25%)消費されそのあとに7、5KΩ(75%)分消費されてアースに落ちる回路となっています。
これを電圧の目線で考えると・・
回路全体の5Vの電圧が1,25V(25%)消費されその後3.75V(75%)消費される回路となる。
よって7,5KΩにかかる電圧は3.75Vとなります。
このように抵抗と電圧の比率で答えを出すことができます。
ただし今回は抵抗値の数字がわかりやすすぎたので簡単に解けましたが接触抵抗が入ったりするとわかりにくくなります。
そこで比例式を用いて法則化して問題を解いていきます。
比例式を用いた計算
比例式を使い法則を作ります。
そのまえに
比例式とは・・
A : B = C : D
という式があった場合
B×C = A×D
このように内側同士を、外側同士をかけることで式が成り立ちますという公式です。(私は、うちうちそとそとの法則と言っていましたw)
比例式を詳しく知りたい方へ リンクを貼っておきます。
この抵抗の比率と電圧の比率は同じなので比例式を使うことができます。
問題に必要な情報を当てはめるとこうなります
ここに値を入力すると・・
10KΩ(全体の抵抗):7.5KΩ(求めたい部分の抵抗)=5V(全体電圧):a(知りたい電圧値)
10:7.5=5:a
となります。(Kは分かりにくくなるので消しました)
比例式を使い計算をします
10×a=7.5×5
10a=37.5
a=37.5÷10
a=3.75
となります。
知りたい電圧値をaとして比例式を使って解くことで計算をすることができます。
この計算をマスターすることでオームの法則で、毎回合成抵抗をだして電流をだして電圧をだす・・のような回りくどい計算をしなくても答えを導くことができます。
全体の抵抗:求めたい部分の抵抗=全体電圧:知りたい電圧値
接触抵抗がある問題を解いてみる
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この比例式を用いて接触抵抗のある設問を解いてみます。
設問1
この問題の設問1を解いていきます。
1、コネクタAの⑤~⑥端子間に1.5kΩの接触抵抗が発生している場合、エンジンECUの入力回路には、4.5Vの信号電圧が入力される。
簡単な回路にするとこんな感じ(しなくても解けますが)
1,5KΩの接触抵抗が7.5KΩアース間に追加された状態となります。
知りたい電圧の位置は変わらないので上記で行った比例式の公式に数字を当てはめて電圧値を導きだします。
11.5KΩ(全体の抵抗):9KΩ(求めたい部分の抵抗)=5V(全体電圧):a(知りたい電圧値)
足し算をするだけで簡単に式を作成することができます。あとは解くだけです
11.5×a=9×5
11.5a=45
a=45÷11.5
a=3.913・・・
答えは3.913・・V。
よって設問1はの答えは×となります。
設問2
続いて設問2
2、コネクタBの⑪~⑫端子間に0.5kΩの接触抵抗が発生している場合、エンジンECUの入力回路には、約3.80Vの信号電圧が入力される。
回路図に直すとこんな感じです。
接触抵抗の位置が違えど下流の抵抗からアースにあることは変わりないので設問1、とやることは全く同じです。
では計算をします。
10.5KΩ(全体の抵抗):8KΩ(求めたい部分の抵抗)=5V(全体電圧):a(知りたい電圧値)
足し算をするだけで簡単に式を作成することができます。あとは解くだけです
10.5a=8×5
10.5a=40
a=40÷10.5
a=3.809・・・
答えは3.809・・V。
よって設問1はの答えは〇となります。
設問4
設問3は接触抵抗ない問題(すでにやった)なので設問4を解いていきます。
4、コネクタAの①~②端子間に2.5kΩの接触抵抗が発生している場合、エンジンECUの入力回路には、2.0Vの信号電圧が入力される。
回路図にするとこんな感じです。
今までの設問と違って上流側に接触抵抗が発生しましたが、やることは同じです。
12.5KΩ(全体の抵抗):7.5KΩ(求めたい部分の抵抗)=5V(全体電圧):a(知りたい電圧値)
足し算をするだけで簡単に式を作成することができます。あとは解くだけです
12.5a=7.5×5
12.5a=37.5
a=37.5÷12.5
a=3
答えは3V。
よって設問1はの答えは×となります。
まとめ
スロットルポジションセンサの接触抵抗の計算方法の解説をしてみました。
今回紹介した比例式を用いた計算方法は同じ計算を4回しなければならないこの計算問題において、足し算をして数字を当てはめてかけ算をしてわり算をすれば答えにたどり着くことができますので是非ともおすすめです。なれてくると、とても早く解くことができます。
1級整備士試験は時間との勝負になることが多々あります。
いかに計算問題で時間短縮ができるかが合格への近道となりますので是非とも比例式を用いたやり方も参考にしていただいて、自分自身に合った最速かつ間違いのない計算方法を導き出していただければと思います。
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