どうもこんにちは 今回は自動車整備士界隈でずっと言われ続けてる整備士の待遇が良くない。という点に対して一級整備士の資格を持ち整備工場を運営している私が本気で解決策を本気で考えてみました。
・整備士の待遇に満足していない人
・整備士の未来を変えたい人
・国土交通省の偉い人
整備士歴10年以上の一級整備士が、整備士の問題点に対し不満を口にするのではなくこのように改善すれば、結果整備士の業界は良くなるのではないか?という点を自分なりに考えてみました。
無理やろ!穴がある!等の意見もあるかもしれませんが、現役整備士が考える一つの意見として読んでいただければ幸いです。
整備士の問題点
まずは私が考える整備士の問題点を上げます。
今回問題点を大きく3つに絞ってみました。
・人手不足
・イメージが悪い
dodaさんによると自動車整備士の平均年収は、419.3万円です。他業種と比べ低めな傾向にあります。
ちなみに地域によって給料格差は大きくあります。気になって過去に断片的にですが調べたことがあるのでこちらの記事をご参照ください。
私自身は、新卒で地元のトヨタ系ディーラーに就職。給料は残業含みで手取り15万~21万円前後。ボーナスは30万~90万くらいを年次と業績によって前後していた記憶です。
現在は独立をしましたが、当時私は営業との給料格差(同期の営業は1.5倍以上貰っていた)、拘束時間の長さ、作業内容の多様さ、販売協力などのノルマ、でこの給料は低すぎると感じていました。
また、私の会社の先輩後輩整備士も給料が低くて辞めていく整備士が多かったことから給料が低いことが問題点としてあげられるかと思います。
自動車整備要員の従業員数は、近年、自動車整備要員の有効求人倍率が上昇、少子化、若者のクルマ離れ、職業選択の多様化により、整備士の人手不足が問題になっています。
出典:国土交通省
さらに、 整備士 イメージ などで検索をすると「きつい」「汚い」「危険」のいわゆる3Kがでてきます。
問題点に対して国が行っている対策
現在国は整備士に対していくつかの対策をとっています。国土交通省の検討会によっていくつか実現したものを抜粋して紹介していきます。
自動車整備人材確保・育成推進協議会
自動車整備人材確保・育成推進協議会という国土交通省と協力し、自動車整備に携わる人材の確保、育成を図ることを目的とした会を設立し整備士に関するPRや学校紹介をしています。
ちなみに、日整連の会長も年頭所感で「整備士確保対策としまして、自動車整備業PRやイメージ向上対策を実施し、関係機関・団体と連携して人材確保・育成対策を推進します。」と一言だけ触れていました。
自動車整備業における外国人材の受入
外国人技能実習制度により外国人材を受け入れており、平成28年4月より、自動車整備事業においても受入れを開始しています。
自動車整備分野は、「特定技能1号」による受入れが可能となり、令和元年12月3日からフィリピン共和国において自動車整備分野特定技能評価試験を開始しましたが、国内においても令和2年9月25日から実施することとなりました。
参考:国土交通省
簡単にまとめると法改正で外国人整備士を雇いやすくなりました。
国に政策に対する私の考え
国が考える問題点は人手不足。それに対する解決策が整備士の必要性、素晴らしさをアピールして新しい人材を確保する。ということなのですが、私はそうは思いません。
↓これは私が一年前にTwitterに投降した内容です。
国:「何!?整備士の人材が減っている?対策せな」
・整備士のイメージアップ動画作成
・整備士の必要性紹介
・検討会実施(3年以上放置?
・専門学校紹介俺:「新しい人材を増やそうとすのではなくまず給料をあげる施策をとろうよ…それでだけで新しい人材も増えると思うよ?」
伝われ!俺の想い!
— ヤヱ@一級整備士、ブロガー (@yae_shinryou_jo) November 5, 2019
この投稿がほぼ結論ですので先に結論から言います。私の考えは『整備業界の利益率(給料)が上がる根本的な仕組みを変える』ということです。
この結論に至った理由を説明します。
まず問題点である・・
2、人手不足
3、イメージが悪い
の2、人手不足と3、イメージが悪いの2つの根本的な原因に1、給料が安いという点が大きく関係していると私は考えます。
・給料が高ければ、高い給料を貰う為に整備士になりたいと思う人が増える→人手不足解消
・給料が高ければ多少イメージが悪くても給料が悪くないからしょうがないよね!に思考転換。もしくは整備士って給料は悪くないんだねというイメージに!!→イメージが悪い解消
安易ではありますが給料をあげる仕組みづくりをすることがこの業界が良くなる第一歩だと私は思います。
解決方法
私は整備業界の利益率が上がる根本的な仕組みを3つ考えました。
利益が上がれば整備士の給料も上がるはず!
整備料金のみえる化
1つ目は整備料金のみえる化です。
整備料金の中の工賃の部分をユーザーにもわかりやすい仕組み作りにすることです。
工賃の仕組みがユーザーに理解してもらえないことで整備士は工賃を貰いにくい場面が多々あります。
例えば小さなバルブ交換をする過程でバンパー等たくさんの部品を外さないとできない場合、バルブ代は数百円だとしても工賃が数千円掛かります。
一部のユーザーは小さな球切れ1つで数千円かよ?と不満に思う人もいます。(私の経験上)
ユーザー目線は仮に説明されたとしてもアワーレートの表を見たわけはないので納得できない気持ちもわかります。
そこで私は工賃のアワーレート表をわかりやすいランク制に仕組みを変更することでユーザーにも工賃の仕組みを理解してもらい工賃を貰いやすくするのではないか?と考えました。
具体的に説明すると各作業をA~F(ランクは適当)に振り分けユーザーに分かりやすさをアピール。
例えばこの車のファンベルト交換はBランクの作業なので工賃は5000円です。
工場ごとにCランクの工賃は3000円~10000円、Bランクの工賃は・・と金額設定をする。
これを制度が変わりましたとテレビCMなどで世間に周知させる。
ぶっちゃけやっていることは全く同じですがユーザーに工賃の存在をより理解してもらうために分かりやすく制度を一新するすれば工賃を貰いやすくなるのでは?と考えました。
・工賃が貰いやすくなる→利益率向上。
・ユーザーも工賃について理解できる。
・ごねる客が減る(ごねる人はごねる)
・莫大な手間がかかる(レートをランクへの変換作業)
・莫大な費用がかかる(変換作業にかかる費用+ユーザーに理解してもらうことが目的なので宣伝費用など)
昔からの風習、客と整備士の立場(客を甘やかしすぎ)など他の要因も多々あるかと思いますが、ユーザーの理解度が少ないことでやったことに対する対価(工賃)を貰えないことが多々あり、解決するにはどうすれば良いのだろう?の思考からこの制度を考えました。
この世界は無理だとしても違う世界線でこの制度が採用されることを祈ります笑
点検料金(ご用命)の定額化
2つ目は点検料金(ご用命)の定額化です。
整備士の仕事内容の中で利益を生みにくい仕事が点検時に言われるご用命です。
例えば、
・チェックランプが付いた。
・異音がする。
・小銭を落としてしまった。
このようなご用命に対して整備料金を貰いにくいのが現在の整備業界です。
チェックランプ点灯した場合、診断機を使用する診断料、不具合箇所を修理する費用は貰えるかもしれませんが診断機の結果から不具合箇所を推定する点検に時間、手間、技術がかかる場合が多々あります。
異音の場合もまずは異音の確認作業、どこからでているのか、正常な音なのか異常な音なのか、音を消すにはどのようにすればよいのか?など整備をする側も料金設定がかなり難しいです。
この手のパターンは現象不再現などでプロの整備士がたくさんの時間を費やしたのにも関わらず点検費用が貰えないことがあります。(私はほぼ貰っていません)
そこで私は点検料金(ご用命)の定額化の制度を新たな仕組みとして取り入れることで今まで貰えなかった整備料金を回収できるのではないか?と考えました。
具体的に説明をすると、ご用命などを受ける際、ご用命のパックに加入しているとご用命時にかかる点検料金がかからない。という制度を作ります。
スマホの定額プランのようにしてユーザーにはお得感を出しつつ、工場側は貰いにくい部分を一定額回収する。
内容を簡単に言えばディーラーが行っている車検時のメンテナンスパスポートのご用命版です。
前払いorご用命時に一定金額をいただくことで一定期間のご用命を受け付ける制度を考えています。
・今まで貰えていないかったであろうご用命時の点検費用の一部が入ってくる。
・お客の囲い込みが可能
・有料化することでご用命が減り効率アップ
・皆で一斉に始めないと制度として成り立たない
・ご用命を言いまくるやつがでてくる(内容を吟味する必要あり)
・ご用命を言えないユーザーがでてくる
主に異音のようなご用命を対応する際に、この定額制度を用いることで利益率があがると考えました。プロの整備士が時間をかけて仕事をして成果をあげているのに収益を生みにくいのは整備業界として何か手はないか?という目線で考えました。
重量税を払うタイミングを変更
3つ目は重量税を払うタイミングを変更するです。
重量税は車検時に払います。さらに一定年数を経過すると重量税は上がります。
この重量税を払うタイミングを変更することで車検時のかかる費用が減り車検整備へお金をかけることができると考えました。
・車検時の負担が減る
・車検時整備にお金をかけることができる
・自動車税と被り重量税の払うタイミングがなさそう
・制度を変えるのに莫大な費用と手間がかかりそう
・新車が売りにくくなるかも?
重量税は工場、ユーザー目線だと廃止が一番ですが、廃止ができない場合どうすれば良いのか?という目線で考えました。変更することができれば工場の売り上げが上がり車の寿命は伸びると考えました。
追記:この重量税を払うタイミングを変更という点については動きがありました。
2021年7月23日に河野太郎衆議院議員の公式サイトにて今後車検時の重量税、手数料をキャッシュレス化ができるようになるという発表がありました。
現在は、各地の運輸支局に併設された窓口で、それぞれ、自動車検査登録印紙、自動車重量税印紙を購入し、書類に貼り付けて、紙の形で申請を行う必要があります。
今回の見直しで、クレジットカードを使って、オンラインで一括決済ができるようになります。
さらに今後、QRコード決済など、他の支払手段も順次拡大し、将来的に印紙による支払いを廃止します。
このサイトを読むに、2023年1月を目指してオンラインでのキャッシュレス化へという内容でした。
オンラインでユーザーが重量税、手数料を払うようになれば私が考える待遇改善に一歩近づきます!!
まとめ
いかがでしたか?今回は整備士の待遇を改善する為に一級整備士が解決方法について考えてみました。
ほとんどが違う世界線に行かないとたどり着けない領域でしたが、脳内空想論を考えるのは楽しかったです笑
現実問題はメディアに現状が取り上げられて世論が後押しをして保育士のような整備士の給料を上げる政策が・・というのが一番現実味があるかな?とか思ってます。
ピンポイントの人に刺さる記事を書きたいという思考から脳内にあることを文字にしてみました。
参考になる内容ではなかったかもしれませんが最後まで読んでいただけた方ありがとうございました。
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