どうもこんにちわ 今回はK11のマーチのエンジン始動不良の故障事例について解説をします。
上記のような症状の場合、今回紹介する故障事例が原因の可能性があります。整備士歴15年以上の1級整備士が解説します。
車両
型式:K11
初年度:H11年
走行距離:約14万㎞
ご用命(症状)
現象確認
入庫後現象確認
・バッテリー上がりでのエンジン始動不良を確認
・バッテリー充電後、エンジン始動中のバッテリー電圧、オルタネーターB端子ーアース間の電圧を確認(負荷、無負荷)
→共に約12.8V前後でオルタネーターが作動している感じはない
・IGON時、メーター内にチャージランプの警灯が点灯していない(点検中に気づく)
点検、診断、診断結果
この時はチャージランプが点灯していないことを気づいていませんでした。
→オルタネータを交換しても正常復帰せず、再点検
内心オルタネータ以外ありえないだろうと思っていましたが、点検をしていくうちにIGON時のメーター内のチャージランプが点灯していないことを発見。
ただ、チャージランプが点かない=充電しないは関係あるのか?と疑問を持っていましたが、Twitterで交流させてもらっている電装最強フォロワー様にK11マーチのタイプのオルタネータはチャージランプの回路が成立しないと発電しないということを教えていただきました。
詳細は下記にて解説します。
Twitter最強!!いつも感謝です♪
とりあえずチャージランプが点灯しない原因を故障探求します。
ファイネスで配線図が出なかったので日産ディーラー、サービス本部に問い合わせて配線図を確保!
回路図を要約するとこんな感じ
バッテリー→IG→メーター→オルタネーター→アースの回路構成。
正常であれば、IGON時にメーター内のチャージランプが点灯します。しかし現状チャージランプがIGON時に点灯しません。
よって各部点検を行います。
IGON時オルタネータコネクタL端子~アース間:0V
(正常時0V、オルタネータより下流断線時0V)
IGON時メーター下流配線コネクタ~アース間×2:0V
(正常時0V、コネクタより下流断線時0V)
エンジンルームと運転席足元にコネクタがあり、ともにIGON時、電圧はきてませんでした。
IGからのメーター裏コネクタ~アース間(上流):約12V
(正常時約12V)
メーター裏コネクタ~アース間(下流):0V
(正常時0V)
※メーター装着時にて測定
メーター脱着時メーター後コネクタ上流~下流間測定(24~27):約12V
(正常時約12V)
点検しやすいところから点検をして遠回りしてしまいました(最後の点検だけ行えば結果は分かった)が、点検をした結果、上流、下流の配線の断線がなく、メーター以外正常ということが分かりました。よって消去法でメーター内部不良と判断をしました。
無事にチャージランプ点灯し発電もしました。
チャージランプの回路が成立しないと発電しない仕組みについて
K11オルタネータのチャージランプの回路は正常時下記画像のような回路構成になります(簡易的)。
IGON時にチャージランプと共にオルタネータのロータコイルに電圧が流れることで初期励磁が行われエンジン始動時に発電を開始します。
初期励磁(しょきれいじ)を簡単に説明すると、発電するための回路が動くきっかけを作る仕組みです。初期励磁が行われないと発電回路が動き出しません。
※k11マーチのオルタネータの仕組みですので現行の車種とは全く違う仕組みとなっています。
メーターや配線不良でチャージランプの回路が成立しなかった場合、初期励磁が行われなくなりオルタネータは発電をしません。
まとめ
今回はK11マーチのエンジン始動不良の故障事例について解説してみました。
一昔前のオルタネータの仕組みに苦戦しつつもとても勉強になったので備忘録、共有の意味も含めて記事にしました。
発電しない=オルタネータ不良とは限りません。
点検する際はメーターのチャージランプの回路も忘れず診るようにしましょう。
参考にしていただければ幸いです。
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