どうもこんにちわ 今回はオデッセイのホーンが鳴らないという故障事例の解説をします。
私自身が行う点検の流れも合わせて紹介します。
・ホーンが鳴らない
上記のような症状がでた場合、今回紹介する故障事例が原因の可能性があります。整備士歴10年以上の1級整備士が解説します。
車両
RB1
初年度平成20年1月
ご用命(症状)
問診、現象確認
問診
・気が付いたらホーンが鳴らなかった。
・気づいたのは数か月前でそれ以降は一度も鳴っていない(そもそもほとんど鳴らすことはなかったとのこと)
・気づいた直前で事故、修理の履歴はなし
現象確認
・ホーンが鳴らないことを確認
点検、診断
ホーンが鳴らない場合原因として考えられるのが・・
・ホーン本体不良
・アース不良
正常の電気の流れだけ先に簡単に解説しておきます。
ホーンスイッチを押すとリレーボックス内のリレーコイル側の回路が成立しリレー内接点が閉じてホーンが作動します。(分かるかな^^;
配線図を確認したらどこから診ると効率よく点検ができるかを考えます。
・ヒューズ周り点検
私の場合まずヒューズボックス内のNo13のヒューズが生きているかを診ました。理由は一番簡単に時間が掛からず診ることができそうだったのでヒューズを確認しました。
電源系からヒューズを介してリレー、ケーブルリレー、ホーンスイッチと電圧がいくので正常であれば常時バッテリー電圧がきています。
→点検結果 約12V(ヒューズの飛びなし)
正常だったのでヒューズより上流は正常と判断します。
・ホーン周り点検
次にホーン本体がバンパーを外さずにグリルをずらせば触れそうな位置にあったのでホーン本体の点検を行いました。点検方法はホーン本体の目視点検(さびなど発生していないか)、加振法(接触不良などはないか)、コネクタを外し手前まで電圧がきているか。を点検しました。
正常であればホーンスイッチ作動時(押した時)にホーンには約12Vの電圧がきます。
→点検結果 ホーンスイッチ作動時電圧がきていない(0V)
正常ならばきている約12Vが来ていないのでホーン本体より上流に不具合があることが分かりました。
・ケーブルリレー、ホーンスイッチ点検
ヒューズ~ホーンまでの間の不具合が確定しているので次に診やすいところ、壊れうる可能性が高いところを考えた時にリレー、もしくはハンドル内のケーブルリレー、ホーンスイッチを考えました。この車種のリレーボックスの内部?に組み込まれているっぽいのでヒューズボックスからはみえずいったん保留にしました。
次にエアバックが絡むのでバッテリー脱着などが絡むので面倒くさいという理由から優先順位を下げていましたが消去法でホーンスイッチを点検しました。
ハンドルのコラム上を外したらケーブルリレー(スパイラルケーブル)上流の配線があったのでこの配線を点検。正常であれば12Vの電圧が来ています。
→点検結果 約12Vの電圧が来ている。
次にこのコネクタから配線を繋いでアースへ落としてみる。正常であれば回路が成立しホーンが鳴ります。(リレーの接点不良、計測ミスなどを見極める為)
→点検結果 ホーンが鳴る
この結果からケーブルリール(スパイラルケーブル)より上流が正常と判断できるので下流(ケーブルリール、ホーンスイッチ、配線、アース)に異常があると判断できます。
ちなみに・・配線をアースにつなぐときなどの配線はアストロのテストリード延長リールを使用しています。長さの延長ができてさらにコンパクトに収納もできるのでとても便利です。
構造的に壊れやすそう、点検がしやすいから、という理由で次にケーブルリールを点検します。
点検方法はケーブルリールの配線(ケーブルリール~ホーンスイッチ間でコネクタを切り離した状態)をアースと接続してホーンが鳴るかを点検します。正常ならば回路が成立しホーンが鳴ります。
→点検結果 ホーン鳴らず(異常)
以上のことからケーブルリレー内断線が判断できます。
ちなみに確認の為に単体ケーブルリレー間の抵抗を測りましたがO.Lと出ました。
交換部品
お客様に了承を得て部品交換の流れとなりました。
作業はホーンスイッチ(エアバック)、ハンドルを外せばすぐ交換できます。
無事ホーンがなり(正常復帰)作業完了としました。
余談
別件でホンダディーラーの人と話をする機会があったのでこの型のホーン不良(ケーブルリール)のことを聞いてみましたがホンダ的にはケーブルリールの不良はまぁあるけどこの型でケーブルリールの不良はあまり聞かないと教えてくれました。
まとめ
今回はオデッセイ RB1 ホーン鳴らない という故障事例を解説しました。
私が考えている点検の過程も合わせて解説をしてみました。修理書とは手順が異なる部分もあるかと思いますがご容赦ください笑
構造を理解し、点検をする理由(効率がよいからなど)がしっかりしていれば良いのかなと個人的には思っています。
故障事例としてではなく点検方法として何かしらの参考にしていただければ幸いです。
おわり
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