どうも こんにちわ 今回は2級自動車整備士の試験にほぼ100%出題されているバルブタイミングの解き方を解説していきます。
この記事を読むことで独学で1級整備士試験を合格した私の解き方を知ることができます。
きっかけ
最近、専門学校の先生と話す機会があり2級の教科書が変更になったという話を聞きました。その後、どんな問題が増えたのだろうと2級の過去問を覗いたらバルブタイミングの問題を発見しまして解いてみようとしたら正解できなかったので解き方を法則化して記事にできればと思ったのがきっかけです。
バルブタイミングはどのような問題?
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過去問を参考にだしてみます。
令和元年10月
点火順序が1-5-3-6-2-4の4サイクル直列6シリンダ・エンジンに関する次の文章の(イ)と(ロ)に当てはまるものとして、下の組み合わせのうち、適切なものはどれか。
第5シリンダが圧縮上死点にあり、この位置からクランクシャフトを回転方向に回転させ、第3シリンダのバルブをオーバラップの上死点状態にするために必要な回転角度は(イ)である。
その状態から更にクランクシャフトを回転方向に240°回転させたとき、圧縮行程途中にあるのは(ロ)である。
1、(イ)480° (ロ)第3シリンダ
2、(イ)480° (ロ)第5シリンダ
3、(イ)360° (ロ)第1シリンダ
4、(イ)360° (ロ)第2シリンダ
こんな感じの問題です。
2級ガソリン、ディーゼルで過去4年(年2回開催)くらいさかのぼりましたが全てにこの4サイクル直列6シリンダエンジンのバルブタイミングの問題が出題されていました。
過去問の傾向から推測するにこの問題さえ解ければ確実に1問正解することができ、整備士への道が近づきます。
バルブタイミングの解き方
この問題を解く上で構造を全て理解しなくても問題は解くことができます。
ですがこの問題を解く為に必ず覚えなければならないことがいくつかあります。
覚えることを2つの図にまとめましたので覚える個所と覚え方を解説します。
図の解説
前提として 本来エンジンが2回転して1サイクルが終わるところを問題を解きやすくするために1周で1サイクルを行う図となっています。
なので図が一回転する角度は720°(360×2)です。
この問題を解くにあたって圧縮上死点、オーバーラップ上死点、吸気下死点、燃焼行程下死点というワードがでてきます。
問題では「第5シリンダが圧縮上死点にあり・・」と言う文言で始まる基準の位置となります。
このワードと図を紐づける為に覚えるポイントとして記載をします。
図の覚えるポイント1
基準シリンダが上死点あるときはAパターンの6角形の画像を用います。また、基準シリンダが下死点の場合はBパターンの画像を用います。
オーバーラップ上死点なのに下なの?とごちゃごちゃになるかもしれませんが頑張って覚えてください。上死点は上下、下死点は左右です。
図の覚えるポイント2
私は頭文字を横に読んで「あねきは」と覚えていました。
覚えるポイントを踏まえて問題を解きます。
問題は「第○シリンダが×××にあり」という基準となる文言が必ずでてきます。
ここからクランクシャフトを回転方向に△△△°回転させたときにどこがどうなるのかというのを答える問題となります。
手順
1、基準のシリンダからAパターン、Bパターンかを決める
図にAパターンとBパターンがあるのは問題文の「第○シリンダが×××にあり」で×××の部分が上死点か下死点かでパターンが変わります。
基準となるシリンダが上死点の場合Aパターンとなります。(圧縮上死点、オーバーラップ上死点)
基準となるシリンダが下死点の場合はBパターンとなります。(吸気下死点、燃焼行程下死点)
2、各シリンダを割り振る
基準となるシリンダとAorBパターンが確定したら問題文に記載されています1ー5ー3ー6ー2ー4を割り振ります。
割り振り方は基準となるシリンダから半時計回りに1-5-3-6-2-4の順番で割り振ります。
例えば基準が第5シリンダが圧縮上死点だった場合Aパターンの図の上が5となりそこから半時計回りに3ー6ー2ー4ー1と割り振ります。
分かりにくいかもしれないので図で説明を入れておきます。
※第1シリンダが圧縮上死点にあるときの割り振り方のイメージです。
1-5-3-6-2-4の順番に反時計回りで振り分けるので下が6、右下が2右上が4となります。
3、回転させる
割り振りができたら問題文で「クランクシャフトを回転方向に△△△°回転させま
す」に沿って回転をさせます。
割り振りは半時計回りでしたが回転方向は時計回りとなりますのでごちゃごちゃにならないように注意してください。
回転する角度ですが必ず60°単位で問題が出題されています。
図は1周720°で6角形なので時計回りに1角分進むのときの角度は120°(720÷6)となります。
240°で2角
360°で3角
480°で4角
600°で5角
720°で1周(もとの位置)
120°周期の角度であれば時計回りに動かせばよいのでわりと解きやすいです。
※例えば第1シリンダ圧縮上死点(上の図)から回転方向に240°回すと・・
時計回りに2角分動くという流れになります。
120°周期であればスムーズに解くことができるかと思います。
しかし2級の試験には120°周期+60°を回転させる問題も出題されます。
具体的な角度で言えば
300°(240+60)
420°(360+60)
540°(480+60)
660°(600+60)です。
この+60°の角度で出題されたときの解き方としては120°周期で時計回りに動かした角数+60°分はA⇔Bのパターンを変更(6角形の角度を60°変更)することで解決することができます。
300°→2角+A⇔Bパターン変更
420°→3角+A⇔Bパターン変更
540°→4角+A⇔Bパターン変更
660°→5角+A⇔Bパターン変更
となります。
例えば第1シリンダが圧縮上死点にあり、この位置からクランクシャフトを回転方向に540°回転させると・・
540°は480°に+60°なので時計回りに4角分回転させさらに60°分動かすのでAパターンからBパターンへ変更します。
↓↓↓
540°回転させると第1シリンダが吸気下死点になります。
上記のやりかたで回転をさせ、終わったときに第○シリンダがどこの位置にあるのか。またどの行程にあるのかが把握することができれば問題を解くことができます。
過去問を解いてみよう
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上記の参考で上げた直近の過去問を解いてみたいと思います・
点火順序が1-5-3-6-2-4の4サイクル直列6シリンダ・エンジンに関する次の文章の(イ)と(ロ)に当てはまるものとして、下の組み合わせのうち、適切なものはどれか。
第5シリンダが圧縮上死点にあり、この位置からクランクシャフトを回転方向に回転させ、第3シリンダのバルブをオーバラップの上死点状態にするために必要な回転角度は(イ)である。
その状態から更にクランクシャフトを回転方向に240°回転させたとき、圧縮行程途中にあるのは(ロ)である。
1、(イ)480° (ロ)第3シリンダ
2、(イ)480° (ロ)第5シリンダ
3、(イ)360° (ロ)第1シリンダ
4、(イ)360° (ロ)第2シリンダ
まず基準となるシリンダが上死点なのでAパーターンの形の6角形で圧縮上死点が5番シリンダなので上側に5番シリンダで図を描きます。
この位置からクランクシャフトを回転方向に回転させ、第3シリンダのバルブをオーバラップの上死点状態にするために必要な回転角度は?
という問題なので現在第3シリンダは左上にありオーバーラップ上死点(図の下側)へ回転するには4角分移動する必要があります。
1角が120°なので120×4で480°回転する必要があるので(イ)の答えは480°となります。
問題の続きで、その状態から更にクランクシャフトを回転方向に240°回転させたとき、圧縮行程途中にあるのは(ロ)である。
その状態が下記画像です。ここから240°回転させます。
240°は2角分、回転方向へ動かします。
↓↓↓(2角分、時計回りに動かすと・・)
上記画像の用になり圧縮工程にあるのは第3シリンダとなります。※覚えるポイント2参照
よって(ロ)の答えは第3シリンダとなります。
過去問の答えは1番となります。
解き方のまとめ
2、基準の第○シリンダから半時計回りに1-5-3-6-2-4の順番で数字を割り振る。
3、問題の回転させる角度分、時計回りに回転させる。
4、回転させたあとの図を把握して問題に答える。
まとめ
以上が2級自動車整備士試験にほぼ出題されるバルブタイミングの解き方の解説でした。
今回紹介したやり方は一例なので他の解き方も多々あります。私の一例を参考にしてもらって自分の解き方を見つけてもらえばと思います。
なれてしまえば確実に点を稼げる問題なので是非とも2級整備士を受験される方は頑張って資格取得をめざしてください。
おわり
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