【独立整備士への道】整備工場経営者が教える独立を目指す整備士に知ってもらいたいこと

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雑学、ネタ

どうもこんにちわ 今回は整備士が独立するために知ってもらいたいことを実際に自動車整備工場を経営している私が独立を考えている整備士さんに向けて知っていてもらいたいことをまとめてみました。

・現在雇われ整備士で将来独立を考えている
・整備士の独立について知りたい

そのようなお悩みがある方へ向けて、現在自動車整備工場を経営している私が独立について考えていることをまとめました。

前提条件

・現在雇われ整備士
・将来自分の自動車整備工場をもちたいと考えている
・個人事業主としての独立(法人化しない)
独立整備士といっても多種多様の方法があります。
今回は私の経験をお話できるという点と一般的な整備士が一番思い描く独立の姿かな?という理由で、
・現在雇われ整備士
・将来自分の自動車整備工場をもちたいと考えている
・個人事業主としての独立
という3つ前提条件で考えてみました。

他の方法で独立しようと考えている人もたくさんいるかと思いますが、共通する内容が多くあるので参考になると思います。

独立する価値(メリット)

まずは、独立するにあたってのメリットを考えてみました。

・やった分だけ利益
・自由
・ライバルが少ない(整備士高齢化、後継者不足)
・経験
・人間関係
・融通がきく

やった分だけ利益

雇われ整備士はどれだけ作業をしたところで、基本的に給料が跳ね上がることはありません。
しかし独立をすると仕事した分だけ利益が上がります。
工賃はもちろん部品代、外注を出しても利益に結びつきます。

やる気と成果で莫大な利益を上げられる可能性があるのは大きなメリットでしょう。

自由

雇われ整備士のような縛りはなく、独立すれば自由に仕事をすることができます。

例えば、仕事内容、仕事時間、休み、工場レイアウトなど、独立することで自由度が増すのは大きなメリットです。

子供の行事なども仕事を調整することで参加しやすくなります。

ライバルが少ない(整備士高齢化、後継者不足)

整備工場の後継者不足や整備士の高齢化という自動車整備業界には大きな課題があります。
この課題に対してこれから独立をすることでライバルとなる工場が少ない可能性があるという点はメリットになると考えます。

経験

現在雇われ整備士さんに独立する価値をインタビューしたところ『経験』という回答をいただきました。
雇われ整備士時代にはできない経験を、独立することたくさんでできる
→独立する価値あり!!

人間関係

雇われ整備士時代に人間関係に悩まされたことがある人は少なくないと思います。私も雇われ時代たくさん悩みました。
独立すれば嫌な人間関係を最小限に抑えることができます。(全てではありませんが)
この悩みからサヨナラできると考えれば独立する価値はあるでしょう。
お金、時間、自由、経験、人間関係という面からみて独立をする価値、メリットはたくさんある!!

独立するにあたって必要なもの

前提条件から必要になりそうなものを考えてみました。

・お金
・工場
・人員
・設備工具
・代車

・古物商

お金

当たり前ですが独立をするためにはお金が必要です。

何をするにもお金がかかってきます。場所や規模によって具体的な金額は異なってきますのでこの記事では何にお金がかかるか。を知っていただければと思います。

 

何にどのくらいお金がかかるのかを考えて、軍資金がいくら必要かを算出しましょう。

工場

自分の工場持つという前提条件なので整備工場はもちろん必要です。

・場所はどこにするのか(地域の人口、国道沿いか、近くに整備工場はあるか、陸運支局までの距離)
・新築か中古か居抜き物件か
・どのような工場にしたいのか(大きさ、外観、事務所)

場所は特に重要です。私の経験則になりますが、定期的に当店を利用してくれるお客様のほとんどは工場近隣に住んでいます。地域人口、地域柄、も踏まえて選ぶとよいかと思います。

 

仕事の効率、費用、集客できる場所か・・などを考えた工場が必要です。

人員

認証工場として独立を検討している場合、工員として自分以外に1人必要となります。

さらに特定認証工場の場合2級整備士をもっているだけでは主任者に選任することができません。

詳しくはこちらの記事の工員についてをご覧ください

整備作業、中古車買い付け、事務、経理、車検持込・・自動車整備工場の場合、1人で簡単に独立することは難しいかもしれません。

 

仕事内容を想像して人員について考えてみましょう。

設備・工具

仮に認証工場を取得するのであれば下記の設備工具が必要になります。

・プレス ・エアコンプレッサ ・チェーンブロック・ジャッキ・バイス ・充電器 ・ノギス ・トルク ・レンチ ・サーキット・テスタ・比重計 ・コンプレッションゲージ・ハンディバキュームポ ンプ ・エンジンタコテスタ ・タイミングライト・シックネスゲージ ・ダイヤルゲージ ・トーインゲージ・キャンバキャスタゲージ・ターニングラジアスゲ ージ・タイヤゲージ ・検車装置・一酸化炭素測定器・炭化水素測定器ホイールプーラ
ベアリングレースプーラグリースガン・シャシルブリゲ ータ部品洗浄槽 ・水準器診断機
令和2年4月から施工となった特定認証の工場を立ち上げる場合は従来の分解整備整備事業設備に追加で水準器診断機が必要となってきます。
現場ではほとんど使わない設備工具もありますが新規認証工場立ち上げ時には必要となります。
費用を抑えるためにも中古を揃えたり整備振興会に相談することをおすすめします。
ちなみにCOHCテスターは中古でもお高いです^^;

 

さらに近年の自動車は補機ベルトなどの作業をするときに専用工具(SST)が必要になることがあります。

定期的に使う機会はないけどこの工具がないと作業できませんので現場からすると採算はあいません。

そのような専用工具をどうするかというのも考えておく必要があるかと思います。

 

認証工場の設備工具、工場、人員に関してはこちらの岐阜運輸支局のページが分かりやすかったです。

代車

自分の自動車整備工場をもって独立する場合、代車が必要不可欠です。

・どんな代車(乗用車、バン、軽)が何台必要か?

・レンタカー代車にするのか?

 

最初は少ない台数で入庫が増えてきたら徐々に増やしていくのが良いと思います。

古物商

独立をする・・これから中古車や中古部品をあつかった商いを行うときは古物商の許可が必要です。

古物を扱いたい場合は古物商の申請をしましょう。

ちなみに古物商は申請から許可まで一か月以上の時間がかかります。(約40日)

法人として取得しないのであれば個人名義での取得です。

個人事業主として独立をすると決めた段階で古物商の申請は行ってもよいかと思います。

 

中古車のオークション会場は古物商取得から1年間は登録することができないというルールがある会場があります。独立すると決めたらまずは古物商の申請を。

独立時にかかってくる費用

ここでは独立してかかってくる費用の一例を解説します。

・場所代
・事務所
・設備
・人件費
・ランニングコスト
・税金関係

場所(工場事務所代)

土地代、工場建設費、事務所、借りる場合は場所代 など

事務所

パソコン、電話、応接セット、オブジェ など

設備

認証ならば上記にあげた設備、ハンド工具、特殊工具 など

人件費

給与、賞与、保険料、福利厚生費用 など

ランニングコスト

光熱費
・電気代
・ガス代
・灯油代

電話代

通信費

広報費
・ホームページ作成、運用費用
・広告費

顧客管理ソフト
当店は月に2万円以上支払っていますがかなり痛手と感じています。
知り合いの工場はエクセルを駆使して無料で行っていますが最低限の管理しかできず大変そう・・。
そんな悩みを、Twitterで絡んでいただいているタクヤさんの会社が開発している低価格で高クオリティな顧客管理ソフトCarRidが解決してくれるかもしれません!!私も次回更新時にお世話になる予定です

保険
・火災保険
・代車保険
・賠償保険

会費
・振興会
・支部・
・FAINES

代車
・消耗品
・燃料

セキュリティ
・防犯関係

税金関係
・会計士

 

独立をした場合、自分だったらどのくらいランニングコストがかかるのかを考えてみましょう。

税金関係

代車(自動車税、重量税+諸費用)

固定資産税

消費税(預り金なのでかかってくる費用ではありませんがあえて書いておきます)

課題

経営をしている立場から見て、独立する際の課題を考えてみました。

・集客
・差別化
・資金
・収益
・技術

集客

どのように集客するのか?(集客方法)

・紹介
・口コミ
・広告(チラシ)
・ホームページ
・グーグルマップ
・ネット広告

 

自動車整備工場の強みとして数年に一度かならず安定した収益源となる車検があります。

 

経験から車検入庫をしてくれるお客様を一定数作ることができれば経営は格段に楽になります。

自動車整備工場としての独立は車検入庫していただけるお客様をどうやって増やすか。という考えをもって集客に取り組んだ方がよいと思います。

 

個人的に思うことはチラシやインターネット広告で自分の工場を知ってもらえたとして行動(電話、来店)を起こしてもらえる状態になっているか?を客観視することが大切だと思っています。

 

差別化

他店との差別化も必須です。

他の工場と比べて自分の工場の強みを考えたときになにがあるのかを考えてみましょう。

・金額?
・技術?
・ひとがら?
・接客力?
・設備?
・綺麗なショールーム?
・専門部門特化?

私自身、他の工場よりひとがらや接客力が優れている!!と考え経営していましたが、目に見えにくいものなので差別化としてはアピールの仕方を工夫する必要がある。と過去に悩みました。

 

そこで、地域で一番安い訳でもなく綺麗な工場ではない私は国家一級整備士資格を取得して技術力アピールをしました。
結果、この差別化で入庫してくれたり安心してお車を任せてくれる人は増えました。

 

さらにワッペンを作ってお客様にアピールしました。

 

資金面

自己資金・借入

自己資金はあるに越したことがないです。借入は日本政策金融公庫を使っている人は多い印象です。

具体的な金額は規模などによると思いますので割愛しますが、独立された方にインタビューする機会があればその情報を一例として挙げさせていただきます。

お待ちください

収益

なにでどのくらい収益をあげたいと考えているのか?

例えば・・
車販売(〇〇万円)
車検〇〇台(〇〇万円)
オイル交換〇〇台(〇万円)
保険(〇万円)
一般整備(〇万円)
鈑金、故障などの+α

収益からランニングコストを含めたかかってくる費用を引いて実際にどのくらいの利益がでそうか・・を具体的に考えてみましょう。

 

利益を○○円だすためにはどのくらい働けば(入庫すれば)良いのか?を考えると想像しやすいかもしれません。

 

車検整備の段取りの仕方や部品仕入先を変えることで時間効率、利益率が大きく変わってくるので試行錯誤を繰り返し行うと良いです。

技術

個人的な意見ですが、自動車整備工場として独立をするときに技術力はそこまで必要ないと思っています。

技術は独立した後でも磨くことができますし、仮にお手上げレベルの故障車両が入庫しても整備振興会へ相談や外注といった選択肢があるため、技術的に自信がないから独立をするか悩んでいる人は独立を目指すべきです。

 

個人的には、何かあった時に相談できる同業者をつくることはおすすめです。
私自身、ハマりそうだった故障も相談したら一瞬で解決できたことが複数回ありました。
今の時代情報共有は特に重要だと思います。

 

あると便利なスキル

独立をしたときにあった方がいいスキルを考えてみました。

・経営
・DIY
・接客
・Web関係
・納税

経営

雇われ整備士からかなり遠いスキルですが経営スキル(マーケティング)ないと死活問題です。

学び方は人それぞれかもしれませんが私は本を数冊読んで数年経営していますが現在も上手に経営できているとは思えていません。

 

日々勉強です

DIY

DIYスキルがあれば工場や事務所の外観をよくしたり何か便利なものを作ることができます。

費用が浮いたり自分の好きなものを作れます。

 

外観のペンキの塗り替えや事務所の壁紙のはりかえだったり、DIYスキルがあると選択肢が広がりますね。

接客

笑顔、言葉の使い方、お辞儀の仕方、立ち振る舞いなど人と人がかかわる仕事ですので接客は必須と呼べるスキルです。

笑顔は最大の武器♪

Web関係

パソコンスキル、ウェブマーケティングスキル、サイト(ホームページ)作成スキル、SNS、などのWeb関係のスキルは今から独立をするのであれば必須です。

 

Web関係は集客の面だけではなく情報収集という面でも有能です。

納税

確定申告を自分で行えれば外注する必要がなくなり費用が浮きます。

時間がなかったり不安な場合は外注をおすすめします。

 

新たな選択肢

ここまで自動車整備工場独立について課題、かかる費用、必須スキルなどを記してきましたが、

「ん?整備工場で独立しないで他の選択肢はないかな?」

と考える人もいるのではないかと思い、前提条件以外の選択肢を考えてみました。

フリー整備士

自分の整備工場を持たないでフリー整備士としての選択肢です。

自分の工場がいらないので初期投資も少なくすみます。働く時間や内容も自分で選べます。

今は仕事を仲介してくれるSeibiiというサービスもあるのでとても働きやすくなっています。

前提条件以外の独立

整備士だからといって車の整備だけをする必要はありません。

例えば、中古車買取、レッカー、洗車、コーティング、レストア、タイヤ、保険など何かに特化させることで自動車整備工場とは違った独立の道がみえるのではないかと思います。

 

ぶっちゃけ私が違う世界線で整備士をやっていて独立をするのであればこのルートへいくと思います。

転職

独立が全てではない。仮に独立したい理由が人間関係や給料ならば転職の選択肢もありだと思います。

転職をして別の種類の技術を学んだのちの独立だってありです。

SNSを眺めていると整備士からの転職で給料や人間関係が改善されたという内容をよく目にします。独立にとらわれることなく視野を広く持つことが大切です。

 

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まとめ

今回は整備士が独立するために知ってもらいたいことという視点でまとめてみました。

一言でまとめると・・

独立前にたくさん悩んでから行動しよう

です。笑

 

この記事を書いたきっかけはディーラー時代の後輩が「今の職場が嫌なので自分の整備工場をつくって独立したい」と相談されたことです。

この相談を受けてこの記事に書いたランニングコスト、集客、自分の給料をどうやって確保のか?という話をした結果、後輩は「考えが甘かった。いったん独立はしない」という結論に至りました。

この相談されたあと、後輩のように夢を持っている整備士さんが全国にいるかもしれない。

その整備士さんの夢の成功率が少しでも上がってほしいという気持ちを込めて書きました。

若干ネガティブな要素が大きく感じるかもしれませんが、実際に経営していて感じたことを素直に書きました。

でも世の中にはたくさんの自動車整備工場が潰れずに経営をできているのでそこまで悲観する必要もないと思います。

独立前にたくさんのことを考えて行動を起こしていただければと思います。

参考にしていただければ幸いです。

 

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