どうもこんにちわ 今回はプリウスα(ZVW41)のエンジンからガタガタ音がするという故障事例について解説を行います。
※この症状は同じエンジンを使っているプリウス(ZVW30)にも全く同じ症状がでる可能性があります。

上記のような故障事例に対してこの記事を読むことで原因がわかるかもしれません。元トヨタ系ディーラーのエンジニアリーダーの経験を持つ一級整備士が解説をします。
車両詳細
型式:ZVW41
年式:平成24年4月
走行距離:約10万㎞
症状、現象確認
症状:エンジン始動時ガタガタ音がする
警告灯は付いていない
頻度は毎回ではない。
運転席からでも聞こえる。かなり大きめな音。
音は数十秒ほどで鳴らなくなる。
再始動時には鳴らないことが多い(冷間時?)
点検過程、原因
異音を確認した結果ハイブリット車で失火時にエンジンがばたつくような音を確認したので診断機を使いダイアグになにか入っていないかをまず確認しました。
(メーター内の警告灯がついていない場合でも1トリップで記録が残る場合がある為)
→ダイアグはP0401(EGR流量不足)が入っていました。
この診断機のコードと症状的に過去の経験則とメーカーからの保証延長情報でEGR(排気ガス再循環装置)の不具合でエンジンからガタガタ音が出るのを把握していましたので保証延長の対象車種であることを確認してディーラーに相談しました。(アクティブテストにて近しい音は確認)

お客様からの異音の依頼で入庫した経緯をディーラーに話して相談をした結果、保証延長にて修理してくれることになりました。
保証延長情報
トヨタのホームページにて掲載されている保証延長の情報を紹介しておきます。
内容
エンジンが十分に暖機されない状態でショートトリップ走行を繰り返すと、排気ガス中の凝縮水やカーボンの影響によりEGRバルブが摺動不良を起こすことがあります。そのため、エンジン不調により、異音や振動が発生し、エンジン警告灯が点灯する場合があります。
当該現象が発生し修理をご用命の場合、下記の通り無料にて修理対応致します。

簡単に説明すると少ない距離の移動のみ、のような走り方を繰り返すとエンジンの部品が正常に動かなくなり異音や振動、メーターにランプが付いてしまうことがある。とのことです。
対象車種
プリウスα
プリウスPHV
対象車両
通称名 型 式 対象車の含まれる
車台番号製作期間 プリウス DAA-ZVW30 ZVW30-0001001~ZVW30-0333134 平成20年10月~平成23年12月 ZVW30-1000000~ZVW30-1590616 平成20年10月~平成24年 8月 ZVW30-5000000~ZVW30-5499303 平成20年12月~平成24年 7月 プリウスα DAA-ZVW40 ZVW40-3000101~ZVW40-3027446 平成22年 9月~平成24年 6月 DAA-ZVW41 ZVW41-3000101~ZVW41-3153852 平成22年 9月~平成24年 6月 プリウスPHV DLA-ZVW35 ZVW35-3000101~ZVW35-3026360 平成21年 8月~平成24年 8月 注意:対象車の製作期間はご購入の時期とは異なります。
保証期間
【 従来の保証期間 】
新車を登録した日から5年または10万Km以内
【 無料修理対応期間 】
新車を登録した日から9年以内

距離は関係なく保証期間が9年間となります。
どうすればよいのか?
始動時や冷間時にエンジンからガタガタ音が鳴ったり、チェックランプが点灯した場合、最寄りのトヨタディーラーへ相談しましょう。
トヨタディーラー以外の自動車整備工場では保証修理ができませんので注意が必要です。
仮に保証期間が過ぎていた場合で有償修理となった場合も部品交換の他にコンピューターのデータ更新作業も含まれています。民間工場で整備士をやっている私が言うのもおかしいかもしれませんが、まずはトヨタディーラーへ相談したほうがスムーズに修理ができるかと思います。
実際に交換した部品
ディーラー整備士さんに交換した部品を見せてもらいました。汚れがガッツリ付いているのが分かります。
対策となった新しい部品はこちらです。

保証期間内だったので無料で新品部品に交換してもらい正常復帰しました。
まとめ
今回はプリウスαのエンジンガタガタ音の故障事例についてまとめてみました。
EGR以外にもインジェクタ、プラグなどの故障での失火検出で同じような症状になることもあります。整備工場はデータモニターやアクティブテストをつかい適切な点検を行うようにしましょう。
余談ですが初期のプリウスでインテークマニホールドに水が浸入してしまいカーブ時に1番気筒が失火するといった件があったと記憶しています。参考にしていただければ幸いです。
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