どうもこんにちわ 今回はティーダ(C11)でエアコンの作動不良という車両が入庫しましたので不具合を解説していきます。

ティーダエアコン不良の故障事例を、整備士歴10年以上の一級整備士が解説をします。
車両
CC11
走行距離:約7万キロ
ご用命(症状)
エアコンが効かない
現象確認
エアコンの作動確認
→冷たい風が全くでない。車内のA/Cボタンはディスプレイ上は作動したことになっている。
エンジンルーム
→コンプレッサが作動していない
コンプレッサーが動いていないのでエアコンが作動しませんでした。
点検、診断
コンプレッサーが作動していない要因を予想
→ガス(ガス漏れ、つまり、いれすぎ)、電気的に作動できていない(断線、短絡)、コンプレッサー内部不良
まず簡易的にガスが入っているかを点検
ガスは入っていました。
→とりあえず全抜けの漏れはなし
電気的に作動しているかを点検
コンプレッサーの上流には配線を介してIPDM(エンジンルームにあるヒューズリレーが集約されているお弁当箱のような形をしたモノ)内のA/Cヒューズがあるのでそこを点検
→ヒューズ切れを確認
ヒューズ切れということでヒューズより下流(コンプレッサー、配線系)に短絡(ショート)があったと予想ができる。
とりあえず新しいヒューズに付け替えてエンジン始動エアコンONにしてみる。
→コンプレッサーが作動し数秒後作動しなくなりました。
確認するとまたヒューズ切れ
このことから一定時間たってから短絡したので常時短絡ではないことが確定しました。
構造的に予想するにコンプレッサーが作動することで抵抗が変化し,ショートしてしまったのではないかと予想をしました。
予想からコンプレッサーに絞って交換作業に移っても良かったんですがコンプレッサーは高額部品ということもあり確定させる点検を行うことにしました。
ここでぱっと思いつくのはコンプレッサーに直で電圧をかけどうなるのかということでしたが、その場合中にヒューズをかませてあげないと駄目だったりするのでいろいろと手間が多かったので、私が実際に行った方法は・・
コンプレッサーのコネクタを外して作動をさせ、ヒューズが切れるかどうかを点検しました。
これによってヒューズが切れなければヒューズからコンプレッサーの手前までの短絡(ショート)をしていないと判断ができ、コンプレッサーの不良と判断できるからです。
実際に点検を行った結果ヒューズは飛ばなかったのでコンプレッサー不良(マグネットクラッチ部)と判断しました。
お客様に確認をしたところASSYのリビルトで交換了承をいただきました。
交換作業
エアコンガス回収後、アンダーカバー、ベルト脱着、本体のボルトを外しての交換作業となります。
ちなみに新品部品と交換した部品で単体での抵抗値を計りましたが若干交換部品の抵抗は少なかったです。
交換したコンプレッサー1、3Ω
交換したリビルトコンプレッサー5、8Ω
この抵抗値で異常の判断はできないと思いますが参考値として残しておきます。
最強フォロワー様からの貴重な意見
以前私がこのティーダの症状を簡単にTwitterにて投稿したところ、私の最強フォロワー様より貴重な意見をいただきましたので参考までに載せておきます。
Valeo製のコンプレッサーはマグネットクラッチが良く短絡しますね。
自分も何回かありました。— アムリタ (@WEHSk4xx45CikSo) August 5, 2020
E11のノートも同じような症状で作業しました。
コンプレッサー内のショートにより抵抗値が低下し電流値の増加によるヒューズ切れと仮定し、コンプレッサーの抵抗値を測ったところ規定値より大幅に低く、コンプレッサーの故障でした。— けいくん (@kaien7337) August 5, 2020
まとめ
今回はティーダ(C11)のエアコン不良についてまとめてみました。
短絡(ショート)系と私の主観になりますがわりと珍しいタイプの故障だったので私自身の記録もかねて故障事例として記事に残しておきます。
参考にしていただければ幸いです。

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