【故障事例】オッティ (H92W) バック(後退)できない 加速不良 解説

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故障事例

どうもこんにちわ 今回はニッサンオッティの後退できない、加速不良の故障事例の解説をします。

オッティ(H92W)
・後退できない
・40キロ以上速度がでない
・メーター内Dランプが点滅する

上記のような症状がでた場合、今回紹介する故障事例が原因の可能性があります。整備士歴10年以上の1級整備士が解説します。

車両

オッティ(OTTI)
型式:H92W
初年度:H19年3月
走行距離:約9万3千㎞

ご用命(症状)

・バックできなくなった
・40キロ以上速度がでない

現象確認

・Rレンジに入れるとN(ニュートラル)のようにエンジン回転が上がるだけで後退しない(メーター表記はR)
・走行すると40キロ以上はでず、変速ショックが大きく感じる。
・メーター内のDが点滅していることを確認。


・シフトをD、3、2で変化させるとDから3で速度に変化がない。

点検、診断


メーター内のDが点滅していたことから診断機をあててダイアグをチェック

出てきたのは・・

86 変速段同期外れ
54 4速同期外れ
53 3速同期外れ
修理書によると、3速、4速へ変速終了後に入出力の速度センサーの値が一致しない場合にダイアグがはいるとのこと。このコードがでるとフェイルセーフ制御として3速or2速固定となります。

速度が40キロまでしか出なかった原因はフェイルセーフ制御により3速固定になっていたからと判断

走行時のデータは見ることができなかった(リフトINしてた)ので停車状態でデータモニターを確認しRレンジ時にインヒビタスイッチはちゃんとRを示していることを確認

 

上記の状況から修理書を確認しつつ予想を立てる。

修理書を確認すると仕組み的にはダイアグがつく箇所と後退ができない不具合が共通する部分はかなり少ない。

共通の不具合だと仮定するならば・・オートマのコンピューター、コントロールバルブ、が可能性ありそう。

後退できない不具合に関してはダイアグがついていない点、インヒビターは生きていた点を踏まえると電気的(コンピュータ、配線)より機械的(コントロールバルブ、油路系)の方が可能性がありそうという見解になりとりあえずコントロールバルブを点検してみることにしました。

コントロールバルブを確認するためにオイルパンを開けてみた結果・・

オイルパンの下に粉砕された部品が転がっていました。

上記の赤い〇の部分にあっただろう部品が飛び出てしまっていました。

ここがバック(後退)の油路を制御している部分だと思われます。

この部品が破損したためにバックすることができなくなり、さらに入出力の値もおかしくなりダイアグが点灯した。という結論に至りました。

よくよく調べるとこの車両は今回のような症状のリコールがでていました。

ちなみにこの車両は数年前にリコール作業済みですが詳細を確認するとがっつり症状が合致します。

リコール情報

リコールの詳細は・・

4速自動変速機の油圧制御装置(バルブボデー)において、ストッパプラグの材質が不適切なため、高速走行や登坂走行等の高油温時の変速動作により、当該ストッパプラグが破損する場合があります。そのため、適正な油圧が保てず、変速ショックや変速不良が発生し、後退不能となるおそれがあります。

バルブボデーを点検し、ストッパプラグが対策前品で破損していない場合は、対策ブラケットを追加します。ストッパプラグが破損している場合は、バルブボデーを対策品と交換します。
出典:2014/10/24 オッティの改善対策について

リコール内容を簡略化するとオートマ内の部品(ストッパプラグ)が壊れて変速不良、変速ショック、バック不能になる可能性があります。対策として保護する部品(ブラケット)を取り付けます。

対策ブラケットを追加してもストッパプラグ破損しとるやん・・

リコール済車両であるにも関わらず、もろにリコール部分の部品が壊れたので一応ニッサンディーラーに問い合わせを行ったところ、「ディーラーとしては数年前にリコール済である以上、リコールとして対応は難しい(立証が難しいため)」と丁寧に説明してくれました。

お客様に故障個所を伝えたところ修理をする運びとなりました。

交換部品

新品部品はこんな感じです。コントロールバルブ部品価格は約7万円。コントロールバルブの下に付いているオイルストレーナー、ガスケット類も合わせて交換しました。

交換作業はオイルパンを外したらすぐにアクセスできるのでリフト上で作業が可能ならばハマる要素は少ないと思います。

交換作業にて無事に正常復帰しました。

まとめ

今回はオッティの後退できない、加速不良の故障事例を解説しました。
ダイアグから修理書の手順通りにいくと各油圧を計って・・となりますが、バックできないという症状もありきだったので予想を立てつつ点検をしてみました。
私の点検手順、考え方が正解とは言いませんが参考にしていただければ幸いです^^

 

 

今回の修理費用はトータルで10万円を超えました。
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